google.com, pub-2410791026450572, DIRECT, f08c47fec0942fa0 【エピソード・オブ・あやめ】勇者、恋に落ちる瞬間(アツキ視点) アツキのFIREまでの道 atsuki-blog.com

【エピソード・オブ・あやめ】勇者、恋に落ちる瞬間(アツキ視点)⸻前半

キャラクター小説編(長編ストーリー)

⸻これは、まだアツキとあやめが出会う前のお話⸻

プロローグ ― 場違いなレストラン

ざとと俺は、なぜか洒落たレストランに足を踏み入れていた。

正直、男2人で来るような場所じゃない。

「なぁ、俺ら浮いてない?」

「大丈夫だ、私は清潔感だけは意識している」

(……そういう問題じゃねぇ)

そんなやり取りをしていたとき。

カウンターの奥から現れたのが、白いコックコートをまとった一人の女性。

――あやめ。

その瞬間、俺の世界は止まった。

まるで光が差し込んだみたいに、視線が釘付けになった。

「……」

「ふむ、これは察しますな」

横でざとがにやけている。

いや、察するも何も、バレバレすぎた。

第一章 ― 恋のための就職活動

一目惚れしてからというもの、あやめの姿が頭から離れなかった。

どうにかもう一度会いたい。

気づけば、俺は求人情報を漁っていた。

「料理に興味があって…」

そう言って面接を受けたが、本当の理由はただ一つ。

“あやめに会いたい”

そして俺は――レストランのバイトに潜り込んだ。

第二章 ― ドタバタの日々

しかし現実は甘くなかった。

皿を落とす、オーダーを間違える、盛り付けを台無しにする。

「こらぁアツキィ!!」

怒号を飛ばすのは、厨房を仕切る加藤シェフ。

その声は雷のごとく、俺のHPを毎日100削っていった。

「くっそ…でも辞められねぇ」

そんなある日の休憩時間。

通りすがりに、あやめが小さな紙切れを俺の手に押し込んできた。

『がんばれ!負けるな!』

「……っ!」

俺の心臓は爆発寸前だった。

(これ…俺に気があるってことか!?)

だが、すぐ横からすっと手が伸びる。

「ふむふむ。青春ですな」

「うわああ!?ざと!!なんでお前が!?」

実はざともバイトに受かっていた。

厨房のカオスは2倍に跳ね上がった。

第三章 ― サイコパス妄想会議

アツキ1回叱られるごとに、ざとは3回叱られる。

休憩中、ざとは真剣な顔で呟いた。

「加藤シェフの弱点は背後。フライパンで後頭部を――」

「いや、それなら冷蔵庫に閉じ込めて2時間放置したほうが…」

しばしの沈黙。

「……やりすぎだな」

「……我々、やりすぎですな」

自分たちで自分たちにツッコむ俺たち。

横で聞いていたあやめは、完全にドン引きしていた。

第四章 ― 惹かれる心

そんなドタバタの中でも、少しずつあやめと話す機会は増えた。

ある日の閉店後、洗い場で2人きりになった。

「今日も大変だったね」

「半分はざとのせいだけどな」

(いや、全部俺のせいかもしれん…)

あやめはクスクス笑いながらタオルを差し出してくれた。

「でもね、アツキくん。ほんとに頑張ってるの、見てたよ」

――その一言で、心臓が爆発した。

慌てて皿を持ち上げたらガシャーン!

加藤シェフの怒号が飛んでくる。

その陰で、あやめが小さく笑っていた。

(……俺、やっぱり惚れたわ)

クライマックス ― 勇気の一言

帰り道。

並んで歩く足取りは、なぜか同じリズムだった。

「なぁ…今度、一緒にご飯でもどう?」

勇気を振り絞った一言。

あやめは驚いたように目を瞬かせ――

「うん。いいよ」

その瞬間、世界が変わった気がした。


「次回に続く!」

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